もくじ
はじめに
カードローンを利用できる条件の一つに「安定した収入のある方」というのがあります。そう考えると、専業主婦は外部から収入を得ていないので不利です。専業主婦というだけで、初めから申し込みさえ受け付けてくれないカードローンもあります。
また、借りる時は夫や家族にバレないか気になるところです。どのような条件を満たせばカードローンを利用できるのか、在籍確認や審査など押さえておきたい注意点と、事前にできる対策について紹介します。
1.カードローンでお金を借りる前に知っておきたい専業主婦と総量規制
プロミスやアコムなどの消費者金融や、オリックス・クレジットなどの信販会社は、「貸金業法」のもとでお金を貸しています。貸金業法では、お金を貸す前に返済能力を調査するよう義務付けられており、貸付限度額の目安となるのが年収の3分の1です。これ以上貸してしまうと法律違反になり、罰せられてしまいます。
これが「総量規制」であり、専業主婦は収入が無いので、消費者金融や信販会社のカードローンは利用できません。唯一の例外として、配偶者の年収を合算して3分の1まで借りられる「配偶者貸付制度」がありますが、セディナやベルーナ・ノーティスなど適用できるカードローンは限られており、申込には配偶者の同意が必要です。
これに対して、銀行のカードローンは貸金業法の範囲外になるため、専業主婦に貸すか貸さないかは、銀行独自の判断となります。ほとんどは配偶者に安定した収入があれば利用可能ですが、対応は大きく3種類に分かれます。
・専業主婦でも一般と同じ条件で貸し付けてくれるところ(バンクイックなど)
・専業主婦には独自の限度額を設定して貸し付けているところ(みずほ銀行など)
・専業主婦には原則貸し付けしないところ(三井住友銀行など)
ただし、パートやアルバイトでの定時収入があるなら、すべての銀行はもちろん、消費者金融や信販会社も利用できます。
2.夫や家族に内緒にすることはできる?
銀行のカードローンは、ほとんどが申込者本人の身元確認だけで手続きが完了し、配偶者貸付制度と違って、配偶者の同意や収入証明書を提出する必要はありません。インターネットから申し込む時も、連絡先を携帯電話にすれば家族に内緒にできます。
ただし、郵送物には注意が必要です。銀行によっては、専用のカードや契約書が送られてきます。消費者金融であれば、アコムの「ACサービスセンター」のように、正体が分かりにくい差出人名で送ってきますが、銀行は堂々と名前を出します。家族に知られたくないなら、何も送られて来ない銀行を選ぶべきでしょう。
例えばセブン銀行は、あらかじめ口座を保有していると、キャッシュカードをそのままカードローンに流用できます。三菱東京UFJ銀行の「バンクイック」のように専用のローン契約機が近くにあるなら、口座を保有していなくても、その場でローンのカードを作れます。
なお取引明細書は最初から送られないか、ネットバンキングで見られるように手続きすることで送られなくなる銀行がほとんどです。
3.専業主婦のカードローンの審査のポイント
カードローンを申し込むと必ず審査を受けます。専業主婦は自らの収入が無いために配偶者の属性で判断されます。例えば年収や勤め先、勤続年数などです。また、JICCやCICに登録されている信用情報を確認するので、配偶者に多重債務や金融事故がある場合は審査に通らないでしょう。
もちろん、配偶者に問題が無くても専業主婦側にあれば同じこと。特に気をつけたいのは直近の申込件数です。カードローンに申し込むと、その履歴は信用情報に最大6ヶ月残ります。集中して申し込むと、お金に困っているとみなされて審査に通らないかもしれません。審査に通りやすい銀行を選ぶべきでしょう。
4.審査が甘くて通りやすいカードローンなんてあるの?
銀行のカードローンを申し込む時、口座の有無によって手続きの流れが変わります。例えばみずほ銀行は、ネットバンキングを利用していたり通帳を用意できれば、本人確認書類の提出は不要です。既に口座開設時に確認済だからです。
このように銀行との取引実績があれば、まったく新規に利用するのと違って信頼関係が構築されているので、カードローンの審査に通りやすいかもしれないと言えるでしょう。銀行のカードローンは、消費者金融や信販会社よりも審査が厳しいイメージがありますが、まずは申し込んでみましょう。
5.専業主婦の在籍確認はどうなるの?
カードローンの審査では、申込で届け出た勤め先に間違いがないか確認するために、在籍確認が行われます。専業主婦の場合は、代わりに配偶者の勤め先へ在籍確認の電話がかけられます。
消費者金融や信販会社であれば、申込者以外の第三者にお金の貸付を知られてはいけないという決まりがあるため、社名ではなく個人名でかけられますが、銀行はそういった制約が無いため、銀行名で電話をかけてきます。
内容は在籍確認だけなので、カードローンについて説明することはありません。ただし受けた従業員が、配偶者に取り次いだり、電話があったことを伝える可能性は高いでしょう。もし、内緒でカードローンを利用するなら申し込みの際に相談すると、可能な範囲で対応してくれます。
6.配偶者に迷惑はかからないの?
専業主婦がカードローンを利用する場合、配偶者に安定した収入があることが条件であっても、配偶者が返済義務を負うわけではありません。それは「配偶者貸付制度」でも同じです。たとえ延滞しても返済するのは、あくまでも借りた本人です。
けれども、配偶者には目に見えないところで負担が発生します。「配偶者貸付制度」を利用すると、専業主婦が借りた分だけ配偶者は消費者金融やクレジット会社から、お金を借りられなくなります。
また、配偶者の信用情報には「照会対象」になったことが最大6ヶ月記録されます。配偶者が借入を知らずに自分でローンを申し込んだ場合、この情報が足を引っ張らないとも限りません。そういったリスクがあることは承知しておきましょう。
7.金融機関別、専業主婦のカードローン限度額と審査方法
専業主婦への対応は金融機関によってまちまちです。ここでは借りられるところと、パートやアルバイトの収入が必要なところに分けて紹介します。
専業主婦でも借りられる金融機関
・みずほ銀行カードローンの場合
限度額は30万円。申込の際に配偶者の勤務先や勤続年数、年収を入力する必要がある。既にみずほ銀行の口座を保有している場合は本人確認書類が不要。オリエントコーポレーションの審査あり。
・三菱東京UFJ銀行カードローン(バンクイック)の場合
限度額は500万円。専業主婦独自の制限は無い。申込では配偶者の情報を入力する必要が無く、代わりに旧姓や世帯収入の項目がある。アコムの審査あり。
・楽天銀行カードローンの場合
限度額は50万円。インターネットでは専業主婦用の申込ページが別に設けられている。住居情報や家賃の入力はあるものの、配偶者の情報を入力する項目は無い。楽天カードまたはセディナの審査あり。
・静岡銀行カードローン(セレカ)の場合
限度額は50万円。申込では住居情報や世帯収入の入力はあるものの、配偶者の情報を入力する項目は無い。静銀DCカードまたは新生フィナンシャルの審査あり。
・セブン銀行カードローンの場合
限度額は50万円。年齢や銀行口座の保有が利用の条件になっているが、仕事や配偶者の有無については明記されていない。既に口座を保有している場合は本人確認書類が不要。アコムの審査あり。
・セディナの場合
限度額は200万円(新規は50万円)。専業主婦は「配偶者貸付制度」の利用で、配偶者と合算した年収の3分の1まで借りられる。ただし配偶者の同意が必要で、婚姻関係を証明する書類(住民票など)や配偶者の収入証明書を提出しなければいけない。審査はセディナが行う。
・ベルーナ・ノーティス(メイプルカード)の場合
限度額は100万円。専業主婦は「配偶者貸付制度」の利用で、配偶者と合算した年収の3分の1まで借りられる。配偶者の同意が必要で、婚姻関係を証明する書類(住民票など)を提出しなければいけない。審査はベルーナ・ノーティス(サンステージ)が行う。
専業主婦では借りられない金融機関
・三井住友銀行カードローンの場合
限度額は800万円。安定した収入があることが利用条件なので、原則的に専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。SMBCコンシューマーファイナンスの審査あり。
・オリックス銀行カードローンの場合
限度額は800万円。安定した収入があることが利用条件なので、原則的に専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。オリックス・クレジットまたは新生フィナンシャルの審査あり。
・オリックス・クレジット(VIP)の場合
限度額は800万円。毎月の定時収入があることが利用条件なので、専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。新生フィナンシャルの審査あり。
・アコムの場合
限度額は500万円。安定した収入があることが利用条件なので、専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。審査はアコムが行う。
・プロミスの場合
限度額は500万円。安定した収入があることが利用条件なので、専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。審査はプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)が行う。
・SMBCモビットの場合
限度額は800万円。安定した収入があることが利用条件なので、専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。審査はSMBCモビットが行う。
・アイフルの場合
限度額は800万円。毎月の定時収入があることが利用条件なので、専業主婦は申込できない。パートやアルバイトの収入があれば可能。アイフルの審査あり。
<まとめ>
カードローンは、お金を無担保無保証人で貸すため、年収や職業などから返済能力があるか審査します。消費者金融や信販会社ではこれが義務付けられているため、専業主婦は利用できません。一部の銀行は、配偶者を対象に審査します。
申込方法や審査内容、郵送物の有無によって、配偶者に内緒で借りることは可能です。ただし、信用情報に参照記録が残るなど影響はあります。また、返済できなくなった場合は督促によってバレてしまうでしょう。
内緒にするからには、返済する時のことまでしっかり考えて、迷惑をかけないよう配慮が必要です。
プロミス
http://cyber.promise.co.jp/Pcmain/APD67Control/APD67002
みずほ銀行
http://www.mizuhobank.co.jp/loan/card/index.html
http://www.mizuhobank.co.jp/setsumeisho/pdf/card.pdf
日本貸金業協会
http://www.0570-051-051.jp/contents/user/1-1.html
セディナ
http://cedyna.co.jp/card/loan/forlife.html
http://cedyna.co.jp/use/cash/homemaker_loan/index.html
ベルーナノーティス
http://www.b-loan.jp/lp1/
http://www.b-loan.jp/guide/index.html
http://www.b-loan.jp/lady/index.html
アコム
http://www.acom.co.jp/p/debt/conditions.htm
http://www.acom.co.jp/p/support/faq01-06.html
セブン銀行
http://www.sevenbank.co.jp/personal/netbank/deposit_loan/loan/
http://www.sevenbank.co.jp/personal/netbank/deposit_loan/loan/summary.html
http://faqsearch.sevenbank.co.jp/faq_detail.html?id=17192&category=
JICC(2ページ目の左下4番)
http://www.jicc.co.jp/vcms_lf/kaiji-DM.pdf
三井住友銀行
http://www.smbc.co.jp/kojin/cardloan/pdf/goriyou_guide.pdf
http://qa.smbc.co.jp/faq/show/511?back=front%2Fcategory%3Ashow&category_id=33&sort=sort_access&sort_order=desc
三菱東京UFJ銀行
http://www.bk.mufg.jp/kariru/card/banquic/moushikomi/tvmadoguchi.html?link_id=bq_moushikomi06
http://www.bk.mufg.jp/kariru/card/banquic/pdf/banq_setsumei.pdf
楽天銀行
http://www.rakuten-bank.co.jp/loan/cardloan/campaign/campaign201604/w/aoa08/#rules
http://www.rakuten-bank.co.jp/loan/syohin/outline.pdf
オリックス銀行
http://www.orixbank.co.jp/personal/account/cardloan.html
http://faq.orixbank.co.jp/faq_detail.html?id=1001&category=&page=1
静岡銀行
http://shizugin.net/service/seleca/shizugin_seleca.pdf
オリックス・クレジット
http://orixcredit.jp/loan/vip/
SMBCモビット
http://www.mobit.ne.jp/shohin/jokenlist/index.html
アイフル
http://www.aiful.co.jp/popup/?cid=PE15H010